よく、ゲームならCPUはi5で十分と言われますが、その理由をちゃんと分かっていますか?実は、僕も昔はあまり分かっていなくて、『i5で十分らしいからi7はいらないだろう』と思っていました。
その結果、CPUの性能不足でPCパーツを総取っ替えしなければならなくなりました。
PC選びで重要なのはグラフィックボードですが、最近は同じぐらいCPUも重要視されていますので、ゲームにおけるCPUの役割と、選び方について解説します。
この記事の目次
ゲームにおけるCPUの役割
CPUは人間でいうところの頭脳の役割をしています。計算をしたり、各パーツの動きを仕切っていたりと、PC全体の管理をする非常に重要なパーツです。
では、そんなCPUがゲームにおいてはどのような役割をするのかについてですが、これも普段使いと同じく、ゲームの動きや処理を行っています。
グラフィックボードが描画した画像を受け取って処理したり、メモリに入ったデータを渡したりです。
- マウスやキーボード,ジョイパッド/ジョイスティックなどが操作されたことを検出し,「何がどの程度操作されたか」を確認して,OS経由でゲームなどのプログラムに伝える
- ユーザーの操作に合わせて,自分の位置や状況を計算する
- プレイヤーキャラクターの位置や状況に合わせて「それ以外のものがどうあるべきか」の計算をする
- プレイヤーキャラクターやそれ以外のものがどう表示されるべきかを計算した結果に従って,計算結果に合った画面を合成し,それを画面へ出力できるようにしてグラフィックスドライバに送り出す
- グラフィックスドライバが受け取ったデータを,グラフィックスカードに合わせた描画命令に変換して送り出す
CPUはゲームに必要な処理や計算を行っています。
CPUの性能を重視するゲームが増えてきている
昔はCPUの性能はあまり重視されていませんでした。複雑な計算や重い処理を行うゲームが少なく、単に画質をキレイにしたり、サクサク動かすのであればグラボさえ良いものにすれば十分でした。
しかし、GTA5やBF1、最近はPUBGなどのゲームが流行り、CPUの性能を求めるゲームが増えてきています。
例えばPUBGの場合、ひとつの大きなマップの中に100人という大人数が動き回り、常に撃ち合ったり、補給物資が落ちてきたりと、見えていない部分でも細かい処理が必要になります。
先ほども書いたとおり、こういった部分はグラボではなくCPUが担当するので、低い性能のCPUでは処理しきれなくなってしまうのです。
似た例で言えばMMOなどもこれに当たります。同じマップ内で色々なプレイヤーがスキルを使ったり、敵を倒すなどの行動を起こしているため、グラボと同じぐらいCPUの性能が重要視されます。
ゲームによって必要なCPUの性能は変わる
当たり前ですが、グラフィックボードと同じようにCPUもゲームによって必要な性能が違います。特に、i5かi7かということがよく言われますので、まずはそれについて解説します。
Core i5とCore i7の大きな違いは「スレッド数」と「動作周波数」です。コア数については、最近はi5もi7も4コアと6コアで統一されているので、どちらも同じとして考えます。
CPUのコア数とは?
コア数とは、CPUの中にある脳みその数です。
脳みそがひとつだけのCPUをシングルコア、2つの場合をデュアルコア、さらにトリプリルコア、クアッドコアというように増えていきます。このようにコアがいくつもあるものをマルチコアといいます。
現在主流なのが4コアで、i5もi7も同じ4コアです。
2017年に登場した第8世代のCPUが6コアになり、大きな性能アップをしました。単純に脳みそが2個増えることになるので、ただただ性能アップです。
ですので、今ゲーミングPCを購入するなら最新世代のCPUがオススメです。コア数のアップは約10年ぶりですので、大きな進化と言ってもいいでしょう。
CPUのスレッド数とは
CPUのスペックを見ると、4コア/4スレッドや、4コア/8スレッド、6コア/12スレッドのように書かれています。
この「スレッド」とは、cpuがこなせる仕事の数です。
4コア/4スレッドは、4つのコアがあり、4つ仕事をこなせますよ、ということです。ひとつの脳がひとつの仕事をするイメージです。
さらに、ハイパースレッディング・テクノロジーという技術によって、実際に載せられているコアとは別に、擬似的にコア数を増やすことができます。それが4コア/8スレッドのような表記になります。
簡単に言ってしまえば、実際には4つしか脳みそはないんだけど、さらに追加で4つあることに見せかけているという感じです。そのため、4つしか脳がないのに、8個の仕事が同時にできるのです。(=8スレッド)
CPU自体にはコアが4つしか搭載されていませんが、OS側(ソフトウェア側)からは8個のコアとして認識されているということです。
よく例えられるのは、ひとりでひとつの作業しかできなかったのが、ひとりでふたつの作業ができるようになったというものです。
上記の画像を見れば分かりやすいと思いますが、おこなえる作業数が単純に増えるので、色々なソフトを立ち上げたり、Chromeのタブをたくさん開いても快適に作業できます。
ただし、あくまでもひとりで行える作業が増えるのがスレッド数なので、ひとつひとつの作業内容が重くなれば、同時に行える作業も少なくなります。
どういうことかというと、上記の画像では検品とはんだ付けを同時に行っていますが、検品がものすごい数になってしまうと、はんだ付けを行う余裕がなくなってしまいますよね。
こんな具合で、スレッド数が多くても、コアのひとつひとつにかかる作業量が多くなれば、スレッド数の多さが活かされなくなることもあります。
CPUの動作周波数とは
そして最後に見逃しがちな動作周波数(クロック周波数やクロック数)についても触れておきます。漢字だらけで難しそうですが、実はとても簡単ですので、サクっと解説してしまいましょう。
クロック周波数は、単純にCPUの処理速度を表したものです。
Core i5-7500の場合、ベース動作周波数が3.40GHz、ブースト時3.80Ghzとなっています。この数字が大きければ大きいほど処理速度が早いことになります。
ブースト時というのは、CPUで処理をたくさん行う時に一時的にここまで増えますよという数値です。ゲーム中や動画のエンコード時などにブーストがかかります。
ゲームにはi5で十分?それともi7は必要か?
結論から言うと、多くのゲームはi5で快適に動作します。その理由が、多くの3Dゲームはシングルコアの性能を重視しているため、クロック周波数が高いi5で十分だからです。
ゲーム目的ならi5で十分、i3でも全然OKと言われるのはこのためです。昔のゲームは1コアあたりの性能が高ければ良かったので、わざわざスレッド数が多いi7は、ゲームなら必要なかったのです。
しかし最近は流れが変わってきて、マルチコアに対応したゲームも数多く出てきています。
また、ゲーム配信や録画、エンコードなどの作業も同時に行う場合、マルチコアでないとカクカクやガクガクになってまともにゲームが動かなかったり、エンコードがうまくいきません。
それだけでなく、ゲームをプレイしながらボイスチャットで話す、ブラウザを開いて動画を見ながらゲームをする、他の配信を見たり、攻略サイトを見ながらゲームをプレイするというように、ゲーム以外にもいろいろなことをするなら、最低でもi5は必要になります。
さらに、重いゲームも快適に動かしたい、録画をしたり、配信をしながら遊びたいならi7は必要です。
このように、たしかに昔はi3でも十分でしたが、今は最低でもi5、ゲーム以外にも色々やるならi7は積んでおく必要があります。
ゲームの要求スペックも確実に上がってきているので、やはりCPUはグラボと同じく良いものを選んでおくに越したことはありません。
グラボが高性能だとCPUが足を引っ張ってしまう
CPUのもうひとつ重要な役割が、グラボとの橋渡し的な役割をしているということです。
よく、「ゲームはグラボが重要だからグラボだけ性能が良いものにしておけばOK」という話を聞きますが、そんな単純な話ではありません。
グラボが高性能になると、処理できる画像の数が増え、動作が軽くなりヌルヌルになります。
しかし、CPUの性能が低いと、グラボが出力した画像の処理が追いつかなくなり、fpsの低下やカクつき、ラグるなどの症状が起こってしまいます。これをボトルネックといいます。
例えば、グラボが1秒間に10枚の画像を出力したとしても、CPUの処理能力が低く4枚しか処理できなければ、画面には4枚分しか表示されません。結果、グラボの頑張りが無駄になってしまいます。
ですから、グラボを良いモノにしたのであれば、CPUもそれなりに良いモノを搭載しないともったいないです。
具体的には、GTX 1050~GTX 1070ぐらいまではi5でOKです。GTX 1070 TiやGTX 1080 Tiなどのハイエンドグラボを使うなら、CPUもi7にしたほうが良いです。
ただし、必ずしもCPUが足を引っ張るわけではありません。軽いゲームであればグラボだけで高fpsが維持できるので、i5にGTX 1080 Tiという構成でも問題ありません。
以上がゲームとCPUの関係になります。
簡単にまとめると、ゲーム「だけ」をプレイするならi5で十分です。ゲーム以外にも少しブラウザを開いたり、ボイスチャットを行うならi5でも大丈夫です。
さらに配信をしたり、普段からChromeのブラウザを大量に開く、画像の処理なども行うというのであれば、i7を用意しましょう。
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