CPUクーラーは、その名の通りCPUの熱を下げるためのパーツです。
CPUやグラボのように、PCの性能を上げるパーツではないので、購入当時のまま変えていない人も多いと思いますが、実はめちゃくちゃ重要です。
今回は、そんなCPUクーラーの重要性・必要性と、CPUクーラーの選び方、おすすめのCPUクーラーについて解説します。
この記事の目次
CPUクーラーの必要性
CPUは、ネットサーフィンや動画の視聴、画像編集やゲームまで、全てのPC動作に関わるパーツです。そのため、PCを起動している間は常に負荷がかかっており、熱が発生しています。
PCは熱に弱いのですが、特にCPUは上記の理由から熱が発生しやすく、高温の状態が続くと熱暴走が起こります。熱暴走はPCの動作をおかしくしたり、故障の原因になります。
こういった事態を避けるために必要なのがCPUクーラーです。CPUの温度上昇を防ぎ、熱暴走が起こらないようにしてくれます。
また、これはCPUだけでなく、PC全体の寿命にも関わります。CPUが熱くなり続けるとPC内部の温度も上昇し、他のパーツも壊れやすくなります。
ゲーミングPCの寿命はどれくらい?ゲームをすると寿命は短くなる?
このように、PCを長く使っていくためには、冷却性能がとても重要になります。そして、その冷却性能の中でも最も重要なのがCPUクーラーなのです。
性能の良い大きなCPUクーラーはいらない?
CPUに付属しているリテールクーラーで十分と言われることもありますが、ゲーム用のPC(ゲーミングPC)として使うのであれば、CPUクーラーは別途購入したほうが良いです。
もちろん使用状況にもよるのですが、性能の良いグラフィックボードを搭載するだけでも熱が発生しやすくなりますし、ゲームはCPUにも大きな負荷がかかります。
特に夏場は室温が上昇し、こまめに掃除をしないとホコリもたまっていきます。それだけでPC内部は高温になるのですが、こんな環境でゲームをプレイすると…熱暴走の可能性もグッと高くなります。
それを避けるためにも、やはりゲーム目的であれば、CPUクーラーは良いものにするべきです。他にも動画編集やエンコードなども負荷がかかり発熱しやすいため、CPUクーラーは交換したほうが良いでしょう。
CPUクーラー自体は種類も豊富で、見た目を気にしなければ性能が良くて安いものもあります。
CPUクーラーの種類
一口に「CPUクーラー」と言っても種類がいくつかあります。
大きく分けると2種類で、空冷式と水冷式に分けられます。
空冷式のCPUクーラー
空冷式は最もメジャーなタイプのCPUクーラーです。
空冷式はCPUの熱を吸収し、ヒートシンクから放熱します。ヒートシンクが冷えやすくなるようにファンで風を当てます。
空冷式にも、サイドフロー型とトップフロー型があります。
トップフロー型のメリット・デメリット
トップフロー型の最大のメリットは、省スペース化できることです。小さなPCにも搭載できるため、スリム型PCなどで採用されることが多いです。
ファンがマザーボード側を向いていることから、マザーボードやメモリにも空気を送れるのもメリットのひとつです。
CPUに付属するリテールクーラーもトップフロー型です。
トップフロー型のデメリットは、エアフロー(空気の通り道)が乱れてしまうことです。
PCはフロントからリアにかけて一定の方向に空気を循環させるのが良いとされています。そのため、空気の通り道を確保するという点ではトップフロー型はあまり良くありません。
これはサイドフロー型のクーラーを取り付けた画像です。
サイドフロー型なら写真のように空気の通り道を一方通行にできるので、PC全体の冷却を考えるとサイドフロー型に軍配が上がります。
サイドフロー型のメリット・デメリット
CPUクーラーを別のものに交換する場合、第一候補に上がるのがサイドフロー型のCPUクーラーです。
サイドフロー型のメリットは、エアフローが整っていることです。フロントからリアまで空気の通り道を確保できるため、PC内部の冷却性能を落とすことがありません。(むしろ上がる)
デメリットはサイズが大きくなることです。大きなファンを縦向きに設置する必要があるため、PCケースのサイズも大きなものが必要になります。
横幅を確保しなければならないので、スリム型のPCには搭載できません。
水冷式のCPUクーラー
水冷式は以前までは玄人向けのクーラーでしたが、簡易水冷が登場してからは初心者でも扱いやすくなりました。
冷却水でCPUを冷やすのが水冷式です。一般的には空冷よりも冷えると言われていますが、実はそこまで変わりません。
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また、水冷式は空冷式に比べてファンの音が静かになると言われることが多いですが、これについても100%そうなるとは限りません。
例えば僕のPCは、水冷式にするまではリアケースファン×1とCPUファン×1という構成でした。しかし、水冷式にしてからはリアケースファン×1とラジエーター用ファン×2になり、結果的にファンがひとつ増えています。
そのため、僕の環境では静音にはならず、結果的にファンの音は大きくなっています。このような例もあるので、必ずしも水冷が良いとは限りません。
『現在リテールクーラーやトップフロー型の小さなファンを使っている』という人の場合、水冷式にすることで冷却性能は大きくアップするはずです。
しかし、『大きな空冷式のクーラーを搭載している』場合は、簡易水冷にしてもほとんど変わらなかったということが多いので注意しましょう。
また、ケースによって取り付けられるラジエーターのサイズが違いますので、こういった点にも注意しなければなりません。
静音性が上がる水冷式クーラー
ドスパラの水冷式クーラーのように、リアケースファンにラジエーターを設置する場合は、ファンがひとつ減ることになるので静音性は上がります。
CPUファンの騒音が気になる場合は、ラジエーターのサイズが小さいものを選び、ファンの数を減らすことで静音化できます。
このように、水冷式はラジエーターのサイズや取り付け方で静音性が変わります。
おすすめのCPUクーラー
僕がおすすめするのはサイドフロー型の空冷式CPUクーラーです。
価格が安く冷却性能も高いので、はじめてCPUクーラーについて考える人は、このタイプにしておけばまず間違いありません。
ただし、メリットデメリットの項目で触れたとおり、ケースとのサイズを考えなければならない点には注意しましょう。
ケースの説明書に取付可能なCPUクーラーのサイズが書かれていれば間違いないのですが、記載がない場合は、マザーボードからサイドパネルまでの長さを自分で測らなければなりません。
この他にも、メモリと干渉しないかどうかも調べておくようにしましょう。(たいていは大丈夫なように作られています。)
取り付け方式はバックプレートタイプがGOOD
CPUクーラーの取り付け方にはプッシュピンタイプとバックプレートタイプがあるのですが、おすすめはバックプレートタイプです。
取り外しにドライバー等の器具がいらないので、手軽に取り外せるのはプッシュピンタイプですが、取り付けと取り外しにコツがいることや、ピン折れの可能性があるため、個人的にはおすすめできません。
バックプレートタイプは取り外しにドライバーが必要になりますが、プッシュピンタイプに比べて安定性があり、取り外しにコツもいりません。
サイドフロー型のおすすめCPUクーラー
万人受けの定番CPUクーラー
CPUクーラーの中で最も人気があるCPUクーラー「虎徹」の改良版です。
安価で冷却性能が高いため、『おすすめのCPUクーラーは?』と言われたら必ず名前が上がります。
コスパが非常に良いので、CPUクーラー選びで迷ったらコレを。
デザイン重視のCPUクーラー
僕が好きなメーカー「ENERMAX」のCPUクーラーは、デザインを重視したい方におすすめです。
冷却性能が良いのはもちろん、デザインがとてもかっこいいです。僕が使っているのもENERMAXの白いCPUクーラーです。
水冷式のおすすめCPUクーラー
僕が使っている簡易水冷のKRAKEN X62は、デザインを重視する方におすすめです。
これが現在の僕のPCです。
簡易水冷は、性能的には空冷とさほど変わらないのですが、空冷とは違ったデザインにできるのが強みです。実際に取り付けた時の記事もアップしているので、こちらも参考にしていただけると嬉しいです。
初の簡易水冷におすすめ!「NZXT KRAKEN X62」レビュー
【初心者向け】PCケース交換の手順を写真付きで分かりやすく解説!
また、KRAKENはラジエーターのサイズも色々選べるので、ケースのサイズが…という人でも設置できます。それについても上記の記事で触れていますので、ぜひ検討してみてください。
ゲーミングPCを購入する場合はカスタマイズした方がいい?
ドスパラやツクモなどのBTOメーカーで購入する場合、CPUクーラーはカスタマイズしたほうが良いです。冒頭でもお話した通り、ゲーミングPCはパーツへの負荷が大きいので、熱が発生しやすいです。
ドスパラはモデルによってカスタマイズできるCPUクーラーに違いがあります。上位モデルであれば簡易水冷が選べる水冷パックもあるので、より静音化したいのであればこちらを選ぶのも良いと思います。
ただし、冷却性能はサイドフロー型の空冷式とさほど変わらないので、冷却性能を高める目的であれば、わざわざ水冷式にする必要はありません。
ドスパラのゲーミングPC一覧また、『自分で交換してみたい』『取り付けたいCPUクーラーがある』という人はカスタマイズせずに購入して、あとから交換してもOKです。
CPUクーラーの取り付けは少しややこしい部分もありますが、難しくはありません。ゆっくり丁寧に行えば簡単なので、これを機に挑戦してみてはいかがでしょうか。
- ゲーム用途なら初期のクーラーから取り替えるべき
- 主流なのはサイドフロー型の空冷式
- 簡易水冷なら初心者でも取り扱える
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