ゲーミングPCのグラフィックボードの選び方

グラフィックボードは、ゲームを快適に動かせるかどうかを左右する一番大切なパーツです。

パソコンでゲームをプレイするなら必要不可欠なので、慎重に、そしてしっかりと選ぶ必要があります。

この記事では、ゲーミングPCのグラフィックボード選びについて解説しています。

こんな人に向けた記事です
  • ゲーミングPC選びで、どのグラボにすればいいか迷っている

グラボだけを買う人向けの解説ではないので、「PCの性能が落ちてきたから新しいグラボを買いたい!」という方は別記事をご覧ください。

グラボの種類が多すぎて混乱してしまう

初心者にありがちなのが、グラボの種類が多すぎて迷ってしまうことです。

グラボを選ぶときは、以下のようなことを考えなければなりません。

  • 型番
  • メーカー
  • モデル(リファレンスかオリジナルか)
  • 補助電源の有無
  • ファンの数
  • スロット数

こんなこと言われてもわからないよ…。

大丈夫だよ安心して!BTOショップでゲーミングPCを購入する場合は、細かいことはほとんど気にしなくてOKなんだ。

え、どうして?重要なパーツなのに大丈夫なの?

BTOショップでゲーミングPCを1から購入する場合、上記の項目についてはショップ側がしっかり考えてくれていますので、こちら側で選ぶのは型番だけです。

型番は数種類しかないので、選ぶのはとても簡単です。

なーんだ。じゃあ安心していいんだね。よかったよかった。

型番について

グラボ選びで一番重要なのが型番選びです。性能に直結するところなので、ここだけは自分で選びます。

グラボに搭載されているチップにはNVIDIA製(GeForce)とAMD製(Radeon)があります。

主流なのはNVIDIAのグラボです。BTOショップで売られているモデルのほとんどがNVIDIAのグラボを使っているので、PCを1から購入する場合はGeForceシリーズから選ぶことになります。

型番は、「GeForce GTX 1060 6GB」のようなものです。他にもGTX 1070やGTX 1080などがあり、基本的には数字が大きければ大きいほど性能が上がっていきます。

グラフィックボードの性能を数値化したグラフです。基本的にはこの中から選んでいくことになります。

ここからは、具体的なグラボの選び方について解説します。

プレイしたい環境を基準に選ぶ

グラボ選びで大切なのは自分がどういう環境でプレイするか?です。

PUBGが遊べるグラボ教えてよ。

それだけじゃちょっと…。遊べるってどういうレベルで?

グラボの性能がゲームの重さや画質に関わってくるので、「設定は多少下げてもいいから安くて快適に動かしたい」のように、自分のやりたいことやプレイしたい設定をはっきりさせましょう。

ここが適当だと失敗に繋がります。人に聞く場合でも、「このグラボで○○って遊べる?」のような質問はNGです。

こんな感じで、一口に「遊べる」と言っても、人それぞれ定義が違います。質問した相手が多少ラグくても遊べると考えている人だった場合、

全然遊べないじゃん…。

なんてことになってしまいます。逆に、必要ないほど高スペックなグラボを勧められてしまうこともあるので、注意しましょう。

MEMO
高スペックなグラボを選んでも悪いことはありません。予算に余裕があるならできるだけ性能が高いものを選んだほうが良いです。その理由は後述しますが、ゲーミングPCは「大は小を兼ねる」です。

そのグラボで大丈夫?動画を見て判断する

グラボ選びでおすすめしたいのが、Youtubeで実際にプレイしたいゲームの動画を見ることです。

どのグラボならどれぐらい快適に動かせるのか?設定はどれぐらいまで上げられるのか?などが分かるので、検索してみましょう。今回は例として、「GTX1060 pubg」と検索してみました。

すると、GTX 1060を使ってどれぐらい動くか?という計測をしている動画が複数見つかりました。

今回は一番良さそうなPUBG GTX 1060 Benchmark (Competitive / Medium / High / Ultra)の動画を見てみましょう。

設定を最低、中、高、最高にしたときのfps(画面の滑らかさ)の変化をまとめてくれています。

この動画を見ると、最低設定なら100fpsぐらいが平均で出ていますが、最高設定だと60fpsが平均で、場所によっては30fpsぐらいまで落ち込んでいます。

ということで、GTX 1060は最高設定で超快適に遊ぶのは難しいが、設定を下げればかなり快適だということになりますね。

設定は下げてもいいから安くてPUBGが快適に遊べるグラボがいい!

という人には良い選択になりそうです。

しかし、ゲーミングモニターを使って144fps出したい人にとっては少し力不足ということになります。もっと性能が高いグラボが必要なので、GTX 1070やGTX 1080を検討する必要がありそうです。

グラボの性能が高すぎて悪いことはない

グラボの性能が低いとカクカクでゲームが動かなくなったり、強制的にシャットダウンされたりしますが、性能が高すぎて悪いことはありません。

むしろ、できるかぎり性能が良いものを選ぶことをおすすめします。価格は高くなりますが、結果的にコストダウンになる場合もあります。

例えば、今プレイしているゲームはGTX 1050で十分だったとしても、1年後にプレイしたいゲームが出てきて性能不足になったら、また新しいグラボが必要になってしまいます。

そうならないように、最初からある程度高めを狙っておくのも悪くありません。どちらかというと、僕としてはこっちを推奨したいです。

もちろん不必要なスペックを無理に選ぶ必要はありませんが、値段だけを見て、安いからと言って購入すると失敗します。まさに安物買いの銭失いです。

「今はこれで十分だし!」と安いPCを買って、すぐに買い替えた人を何人も見てきました。

ゲーミングPCは大は小を兼ねます。スペックが高すぎて困ることはありませんが、低くて困ることはたくさんあります。

  • プレイしたいゲームが出てきたけどスペック不足で満足に遊べない
  • 友人宅の高スペックPCで遊んだら自分のとは全然違って楽しかった
  • ゲームが起動できなくなる

こんなことにならないように、将来性もしっかり考えてグラボ選びをしましょう!

グラボが強くてもCPUが弱いと意味がない

グラボの性能が高くて困ることはないのですが、CPUの性能も重要になります。CPUの性能が低いと足を引っ張り、グラボの性能が発揮できなくなります。

これをボトルネックといいます。

CPUの性能によっては、同じグラボを使っているのに、友人は300fps出ていて自分は130fpsしか出ない…。というようなことも起こります。

ザックリとではありますが、オープンワールド系のゲームはCPUの性能が重視されがちです。例えばPUBGやBF1、GTA5などです。

巨大なマップにたくさんの人や建造物があるようなゲームはCPUにも負荷がかかるため、

こういったゲームをよくプレイする場合は、グラボだけでなくCPUもバランスよく選ばなければなりません。

とはいえ、BTOショップの場合、CPUがボトルネックになるような組み合わせでは販売されていないので、このような事態になることはまずありませんので安心してください。

グラボを性能別で選ぶ

グラフィックボードを性能別で見て、どういう人、どういう用途、どういうゲームに向いているかを解説します。

激安グラボならGTX 1050

GTX1050は10シリーズの中で最も性能が低いグラボです。当然価格もかなり低くなっており、15,000円ぐらいが平均になっています。(2018年1月現在)

安いゲーミングPCが欲しい、設定は低くてもいいからとりあえずパソコンでゲームがしたいという人には良い選択になりそうですが、性能が良いとはお世辞にも言えないので、あまりおすすめできるものではありません。

それでも設定さえ下げればPUBGも動かせるレベルですし、LoLやオーバーウォッチなどの比較的軽いゲームであれば、フルHDでも余裕で60fpsは出ます。

PUBGはたまにカクついたりするよ…。LoLなら144fpsも余裕で出ると思う。

上位モデルのGTX 1060と比べると2倍近くの性能差があります。GTX 1060はとても人気のモデルで、性能が高く価格も抑えられているというメリットがあります。

超激安グラボはGTX 1050で決まりですが、性能もしっかり見るならGTX 1060の方がおすすめです。

GTX 1050 Ti

GTX 1050 TiはGTX 1050以上に微妙な立ち位置のグラボです。性能だけで見ればGTX 1050とあまり変わらないですし、だったらGTX 1060の方良さそうです。

GTX 1050 Tiが搭載されたゲーミングPCとGTX 1060が搭載されたゲーミングPCを比較してみましょう。

ガレリアDH
CPU Core i5-8500
グラボ GeForce GTX1050 Ti
ストレージ(容量) 1TB HDD
メモリ 8GB
ガレリアDJ
CPU Core i5-8500
グラボ GeForce GTX1060 3GB
ストレージ(容量) 1TB HDD
メモリ 8GB

なんと価格差は5000円です。

グラボの価格差は2018年1月現在で約12,000円なので、ゲーミングPCを購入するならGTX1050Tiが搭載されたモデルよりも、GTX 1060が搭載されたモデルの方がコスパが良いということになります。

GTX 1050 Tiは、同じ価格帯(15,000円前後)のグラボの中では性能が最も高いモデルです。なので、グラボだけを購入するならGTX 1050 Tiを選択する余地もありそうです。

しかし、ゲーミングPCを購入する場合はやはりGTX1060に軍配が上がります。

圧倒的な人気を誇るGTX 1060

ゲーミングPCを購入するなら1度は検討するのがGTX 1060です。圧倒的な人気を誇っていて、性能・価格どちらを見てもハッキリと良いと言えます。

ゲーミングモニターを使って144Hzで遊ぶならGTX 1060が最低ラインです。

どのゲームを遊ぶのかにもよりますが、設定さえ下げれば144fpsは余裕で出せるグラボなので、ヌルヌル快適で遊びたいならGTX 1060を選びましょう。

GTX 1060は、世代が古いグラボで言うとGTX 970以上の性能を誇っています。

実は、僕がGTX 1080にする前はGTX 970を使用していました。この価格でGTX 970以上の性能とは本当に驚きです。

ただし、GTX 1060でも144fpsを狙えないゲームもあります。

オーバーウォッチやLoLなどの比較的軽めのゲームであれば144fpsを出すのは難しくないです。LoLに関しては最高設定でも144fpsは常時出せます。

ですが、BF1やPUBGなどのゲームとなると、設定を落としても144fpsで安定させるのは難しくなるでしょう。現状最高レベルのグラボでもかなり設定を下げないと高fpsが出せないので…。

ただし、それ以外のゲームであればかなり満足に遊べます。

普通のモニターを使うから60fpsで十分という人なら、GTX 1060が最適です。これ以上のグラボにしても無駄になってしまう可能性が高いです。

総評として、僕としても強くおすすめできるグラボです。

GTX1070

GTX 1070はコスパが非常に高いグラボです。GTX 1060もかなり良いモデルですが、それ以上の性能を目指したい人向けです。

GTX 1080は性能が高すぎて必要ない人も多いですが、GTX 1070はそれほど高すぎず低すぎずという、ちょうどいいポジションに収まっています。

上位モデルにGTX 1070 Tiがあります。最近発売されたばかりの新しいグラボで、性能・価格共にバランスが良く、人気があります。

そのためGTX1070の人気は少し落ちてしまいましたが、それでもコスパの良さからまだまだ選択されるグラボです。

コスパ良しのGTX1070Ti

GTX1070よりも性能が高く、GTX1080よりも価格が安いのがGTX1070Tiです。

しかし、日本は新しいPCパーツが発売されると価格が跳ね上がる傾向があり、GTX1070Tiも同じ経路を辿っています。

発売直後はGTX1080よりも高いという意味不明な状態になり、あまりおすすめできるものではありませんでした。

ですが最近は価格が落ち着き始めており、選ぶ余地も出てきました。性能的にはGTX 1080寄りです。画質も上げて高fpsでサクサク遊びたい人向けです。

僕としてはGTX 1070を選ぶぐらいなら1070 Tiをおすすめします。

性能の高さと価格の安さを塗り替えたGTX1080

PASCAL世代が発表され、驚きを与えたのがGTX 1080というグラボです。僕も当時発表のニュースを見て驚き、すぐに購入を決意しました。

今までのグラボの歴史を塗り替えるできごとでした。安くて性能がいいんですから…。

しかしGTX 1070 Tiと同じく、発表されていた価格と日本で売られる価格に大きな違いがあり、発売当初は「まだまだ高い」という印象が強かったです。それでも性能はメチャメチャ高いので買っちゃいましたが…。

それも時間とともに落ち着きはじめ、今ではしっかりおすすめできるグラボになりました。

とはいっても他のグラボと比べると高いです。

4Kにもそこそこ対応でき、ほとんどのゲームを高設定にしても60fpsは余裕でキープできる性能を持っています。最高画質にこだわらなければ、4Kでもゲームを遊ぶことができます。

ただ、コスパという点で見るとやはりGTX 1070やGTX 1070 Tiには劣ります。ここまでの性能を必要としない人も多いですし、ほとんどの人はGTX 1060~GTX 1070 Tiで満足できるはずです。

圧倒的な性能の高さを誇るGTX1080Ti

現在、ゲーム向けのグラボとして最も性能が高いのがGTX 1080 Tiです。

もうとにかく性能が高いです。パフェに追加でスイーツを大量にのせちゃってもお釣りが返ってくるぐらいの高性能っぷりです。

4K画質やVRでゲームをプレイするならGTX1080 Tiが必要になるでしょう。これ以外のグラボで4KやVRで遊ぶなら、SLIでないと難しいと思います。

SLIは2枚挿しのことです。4Kはそれぐらい必要スペックが高いんです…。

GTX 1080 Tiは、「4Kは必要ないし、fpsも144出れば十分!」という人にとっては明らかにオーバースペックです。

現状はどのゲームでもGTX 1080なら144fpsが出せますし、設定さえ下げれば今後出てくるゲームでも十分に戦っていけます。僕も数年はGTX 1080を使っていくつもりです。

ただ、これからVR向けのゲームもたくさん出てくるはずですし、画質にこだわった上で144fps出すなら1080だと少し力不足を感じることもあるかもしれません。

最新ゲームを確実に最高設定でヌルヌル動かしたいのであれば、GTX 1080 Tiも視野に入ります。

2 Comments

すおう

匿名さん

ありがとうございます!そういっていただけると励みになります。

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